労働事件実績

目次

私の実績 精神疾患事案


大学卒一の女性のテレビ番組下請け会社の製作スタッフの自死が労災認定された事案(初めて女性の自死が労災認定された事案) 労働基準監督署

中学校の教諭が、部活動の全国大会の事務局長になって、過重労働になり自死した事案を公務災害であると認定された事案 仙台地方裁判所 共同代理事案

中学校の教諭が、同僚から暴力を受けて校長や教育委員会から隠ぺいの働きかけを執拗になされてうつ病にり患し公務災害であると認定された事案、生存事案 (地方公務員災害補償審査会 逆転認定) 同町に対しての損害賠償請求の和解(仙台地方裁判所)

自動車整備会社職員パワハラ+激務による自死が労災認定された事案 労働基準監督署 共同代理事案 同事案で民事交渉での和解

消防職員のパワハラ事案が公務災害認定された事案 審査会での逆転認定

食品メーカーの職員の自死事案、労働基準監督署での労災認定、東京地方裁判所での裁判上の和解

大学准教授に対するパワハラ自死事案 労働基準監督署での認定

警察官の自死事案で公務災害認定後に、損害賠償交渉 調停で県と和解が成立した事案

機械器具メーカー営業社員が東日本大震災後の激務と震災の影響を無かったことにしたい上司からのパワハラによってうつ病を発生させた事案 生存事案 労働基準監督署による労災認定 交渉による損害賠償

仕事を与えないなどのパワーハラスメントに対して交渉によって和解金が支払われた事案 生存事案 共同代理

東日本大震災の復興激務で異常な長時間労働で警察官が失踪の末山中で自死した事案 地方公務災害認定

交通関係の職員がパワハラと長時間労働で失踪の上自死した事案 行政訴訟中自庁取消で逆転労災認定、損害賠償交渉で和解が成立した事案 共同代理 複数の代理人が実態調査のため、交代で朝の5時半に現地に行った事案

観光物産店で、2週間の繁忙期に3人の職員がうつ病になった事案、3人とも労働災害認定 労働組合からは基準に達しないために労災は認定されないだろうと言われた事案 生存事案

交通関係職員の自死事件 退職後の嘱託職員 認定基準を下回っていたが、病気休暇後の復職条件を超える時間外労働や援助が無かったことをもって労働災害であると認定された 労働基準監督署 示談による損害賠償

外国人の大学職員研修者の過剰な時間外労働による自死事案 労働基準監督署による労災認定

復旧工事の際の長時間労働による自死事案 勤務先が多岐に分かれて複数の県の弁護士が担当 証拠保全など 労働災害が認定され、交渉での和解成立

私の実績 脳疾患・心臓疾患事案


自衛官のくも膜下出血事案 9・11テロ後の警戒の際に、勤務時間が長くなり、くも膜下出血を発症して亡くなった事案 仙台高裁で逆転認定 共同代理 その後仙台地裁で民事和解
小学校の教頭職の心筋梗塞 家での持ち帰り残業を評価されて公務災害認定 地方公務員災害補償基金審査会での逆転認定
運送業の運転手 脳出血によって植物人間になってしまった事案 労働基準監督署で労災が認定され、成年後見制度を活用して裁判を進め和解が成立した事案 共同代理の事案
薬局店舗の不整脈での死亡事案 時間外労働基準に満たなかったが労働基準監督署で労災認定
運送業者の長時間労働による虚血性心疾患による死亡 労働基準監督署で労災認定 示談による和解成立
建築会社職員のくも膜下出血事案 現場での作業が中心であるが長時間労働が認められ労働基準監督署で労災認定 民事訴訟によって和解成立
外国人研修医の急性循環器不全による死亡 当直や研究発表などをきちんと労働時間として労働基準監督署で認定をうけた 共同代理事案(川人博先生、平本紋子先生)。
営業職職員 上腸間膜動脈解離で死亡 自動車での遠方に赴いての営業の仕事レシートやカードなどで時刻を特定 民事は交渉で示談
食品メーカー営業職 長時間労働 グーグルのタイムラインからタイムカード後会社での仕事が推測されて、パソコンのログ記録が提出されて長時間労働が認定された 労働基準監督署
運送業運転手 労災認定後の民事賠償担当 示談交渉で和解成立

私の実績 その他の労災事案 過重労働事案


自動車関連会社での積み荷の崩れによる死亡事案 労働基準監督署で労災認定 示談交渉による和解成立
ブルガタ症候群 土木作業中、体調が悪いと訴えるにもかかわらず作業を強制され、パワハラもうけ、雨の中の作業を強いられて発症 労働基準監督署で労災認定
倉庫作業中に重機にひかれ、骨折末梢神経障害 裁判上の和解が成立
中学校教諭 生徒と衝突して転倒し髄液労など複数の傷病発生 外傷性頸部症候群として地方公務員災害補償審査会で逆転認定及び治療期間の延長が認められる
捕鯨船の放銃難聴になったことの損害賠償請求 裁判上の和解が成立
漁船で滑り止めのない甲板で作業中に転倒し、大腿骨骨頭骨頸部骨折で損害賠償請求 裁判で和解が成立
通勤災害 勤務後買い物をして帰ったところバスの便が悪く、退社後数時間を経て帰宅した事案、労働基準監督署では通勤から逸脱しているとして認定されず。バスの時刻表を調べて、主婦としての生活必需品の買い物をした後で通常通り帰宅してもその時刻になることを証明して、労働保険審査官により逆転認定
転落事故
漁船の甲板から3m下の漁艙の床に転落 骨折、外傷性気胸等 裁判所において和解
修理中の船の清掃中に数メートル下の地面に転落した死亡事案 示談交渉で和
復興土木工事時に会社が高所対策を怠ったために転落脊髄損傷の事案 裁判上の和解が成立
不規則長時間労働の長距離運転手の居眠りによる自損事故で、会社からの運転手に対する損害賠償請求が棄却された事案
概日リズム障害(サーカディアンリズム障害)を主張


<東日本大震災>
東日本大震災後の不眠不休の復興作業での自治体公務員の出血性胃潰瘍での死亡 基礎疾患として肝硬変があったことから地方公務員災害補償審査会の支部長段階では公務災害が認められなかったが、代理人が入り不眠不休の公務のために自然的経過を超えて増悪したことを医学的にも立証し、支部審査会で逆転認定 共同代理事案(川人博先生 三浦直子先生)

仙台市職員 東日本大震災の地震の後で命じられて沿岸部に避難を呼び掛けに行き津波により被災、当初はボランティアで行った、指図の範囲を超えて行った、津波に巻き込まれたか不明であるなどとして特殊公務災害が認められなかった。この事件で国会議員も動き、地方公務員災害補償審査会で逆転認定 この事件をきっかけに特殊公務災害の認定見直しが行われ、各地で逆転認定がされるようになった

同南三陸防災庁舎の職員の方々の特殊公務災害認定 仙台市職員の件による認定見直しにより 支部審査会で逆転認定 共同代理事案

使用者側として、東日本大震災の津波に巻き込まれて従業員が死亡したが、遺族から責められてノイローゼになった。仙台弁護士会ADRで話し合い、誤解が解け和解。労災申請や葬儀にも積極的に会社が関わったことも功を奏した。

<実績の理由>


1 全国過労死弁護団
  私は、弁護士になったときから全国過労死弁護団に所属しています。実は弁護士になる前に、知り合いの弁護士に誘われて弁護団会議にお邪魔したことが最初です。その時、ベテランも若手も自由に意見交換をしている雰囲気に、「ああ、これこそクリエイティブな会議だ」と感動し、そのまま弁護団に入れていただきました。
  弁護団ではどん欲に学ぶ気風があり、全国総会の後も宿舎でベテランの先生を囲んでお話を伺う機会もあり、とても勉強になりました。各地の実績を学び、また文献や資料を紹介いただき、勉強しました。とにかく労働基準監督官よりも労災の知識を身に着けようという雰囲気で様々な資料にあたる癖がついたと言えると思います。
  例えば認定基準は、それ自体が完結しているわけではなく、その基準が制定されるに至った会議があり、議事録が公開されているのでそれもきちんと把握することができます。そうすると、形式的には基準を満たさないけれども、基準を策定するに至った理由に照らせばそれは基準を満たすのだということがすぐにわかるわけです。例えば認定基準を満たす長時間労働ではないけれど、その期間が短いならば基準を優に満たすとして労働組合が消極的態度を示した事案でも労災認定がなされるということがありました。


2 医師との連携
  労働災害は、疾患や傷害に対する補償です。それがどのような傷害なのかどの程度の不便さが生まれるのか、また本当に仕事が原因での発症なのかということが争点になります。一番は主治医の先生からお話を聞くことが有効です。私はどんどん主治医の先生にご意見を伺いに参上することを心掛けています。なかなか素人では医学的文献を手にしたところで実際のところがわかりません。また、当事務所には身近に優秀な医師が複数いて、すぐに医学的解説をしていただくことができます。これは大きいです。医学的観点から必要な補充調査の内容が早期にわかることは、その後の立証計画の構築が圧倒的に有利になります。

3 精神疾患、自死事案の研究
  私は、精神疾患や自死に興味を持ち、研鑽と研究を長期にわたり続けてきました。そのためもあり、仙台市精神医療審査会、宮城県精神医療審査会の審査委員を務め、地域の最高峰の精神科のお医者さんやケースワーカーの方々の議論を直接見聞きして勉強できる機会に恵まれました。また仙台市の自殺対策連絡協議会の会長も務めました。例えば労災の精神疾患の認定基準もただ認定基準として当てはめるのではなく、人間が職場の対人関係でどのようなことがあると心理的に圧迫されたり自死の危険が生まれるのかということを実質的に考えることができ、それを基準に当てはめていくということができるようになりました。このため、精神事案での逆転認定がなされるポイントを見つけ出すことができたと思います。
  さらには、うつ病などの精神疾患の患者さん方がいつも近くにいらっしゃり、一緒に職場の在り方を考えていく東北希望の会でも、多くのことを学んでいます。自死の瀬戸際から引き返した事案等、実際の体験談を聞く機会にも恵まれました。貴重な体験談が、認定申請に非常に役に立っていると実感しています。
  また、仙台弁護士会の自死対策特別委員会の委員長も長く継続させていただいているのですが、東北大学教授の若島孔文先生の研究会にも委員のメンバーとともに参加し、教えをいただいていることも大きな力になっております。解決のためのたくさんのヒントをいただいています。