ブログ1

弁護士向け保護命令(相手方)の基礎知識

保護命令申立はひところよりも減ってきている印象がありますが、まだまだ申立件数があるようです。その効果が一方当事者に大きな不利益を与えてしまうにもかかわらず、実務的には、手続きが曖昧なところがあり、不安定な審理過程であるという問題があるようです。特に相手方代理人が心得ておくべきことを列挙しておきます。
1 疎明では足りず、証明が必要であること。
  審尋を開く定めがある通り、要件事実の疎明では足りず、民事訴訟法上の証明が必要です。ところが、実際の保護命令を担当する裁判官は保全係で行われることがほとんどのようで、証明が必要であることを意識しないで保護命令が出される例があります。
  必ず書面で、疎明では足りず証明が必要であるという主張を愚直に行うことが不可欠です。その結果、防御の機会のない証拠物で心証を形成すことができない旨のアッピールは不可欠です。
  抗告する場合も、この点について、手続き違反があったら必ず、強く主張をする必要があります。また、地裁段階では理由付けが不十分であることが多いので、防御権侵害や証明に達していないことをわかりやすく補充して主張する必要も出てきます。
2 将来重大な身体生命があることとの要件について、厳格に争うこと
  東京高等裁判所平成14年3月29日決定は、必ず引用しましょう。その前提として、必ず読んでおく必要があります。注意をするべきポイントとしては、引用なら良いのですが、それを受けて主張する際にはいわゆるDV法の罰則が強化されていますので、条文に当たり正確に主張することです。
  この要件がずぶずぶである決定があまりにも多すぎます。地裁段階で、注意喚起を兼ねて、十分に主張する必要があります。
3 警察のDV相談記録に信用性が無いことをきちんと主張すること。DV相談記録は、DVがあったことを証明するものではありません。DV相談だといって警察にアプローチすれば、必ず相談記録を保存するものです。しかも一方的な視点での事実が羅列されているだけのものです。妻側のDV相談記録があっても、同じ日の同じ記録として夫側のDV相談記録も存在することも珍しくありません。ここでいう「被害者」とは、総務省の通知があっても相変わらず相談者の意味しかありません。
  このあたりのことを知らない裁判官も多いようです。予めこういうものだということを主張する必要があります。
  それ以上のことについてはブログを参照してください。
保護命令の申し立てに対しては万全の対策をする必要があること | 家族再生 戦わない離婚 旧弁護士の机の上
https://ameblo.jp/iwanuma320/entry-12893818001.html?frm=theme

ブログ一覧

地方公務災害逆転認定

地方公務員の労災認定に相当するものですが、民間と同じく3審制となっています。1審は県(政令指定都市)の支部長命で判断がなされます。ここで認定されなくても(公務外と認定されても)、支部審査会、本部審査会と異議申し立てができるということです。本部審査会でも認定されなければ行政裁判となります。今回は、広い意味で福祉系の職員さんが、利用者さんが自殺すると宣言して電車が近づいている踏切に飛び込もうとしたり、水路に飛び込もうとしたのを、事情があって一人きりで、自分の命を懸けて取り押さえたことで、急性ストレス症状を発症した事案でした。

1審の支部長段階では、大したことをしていないし、誰も怪我もしていないのだから、急性ストレス障害になったところで公務とは関係がないと非情な判断をされてしまいました。この段階で、私が依頼を受け、支部審査会に異議申し立てをしました。それが令和6年6月です。ようやくこの度1年数か月で逆転認定の通知が来ました。

公務災害申請の一番の問題点は、馴れていない人が、手探りで書類を作成し、十分にポイントを主張できないまま、字面だけで判断されてしまうので、その大変さが伝わりにくいということがあります。ご本人はストレスの大きい公務をしているので、そのつらさはよくわかっています。しかし、それを第三者に伝えるためには、どうしてもテクニックが必要です。得に公務災害を判断する人たちは、その公務の元々の大変さがわかっていません。その大変さを如何にリアルに伝えるかということが代理人の技量ということになります。

今回も写真や目撃者の陳述書など創意工夫を凝らして資料を作成し、審尋というプレゼンの機会でどうすればそれを伝えることができるかということを考えて、逆転認定に繋げました。

2025年10月09日

○○○○○について

ここにブログ内容が入ります。ここにブログ内容が入ります。ここにブログ内容が入ります。ここにブログ内容が入ります。

2016年10月01日